シュレーターペンギン
最も生態調査が進んでいない謎多きペンギンです。
基本データ
■シュレーターペンギンの容姿■
By C00ch - Own work, CC BY-SA 4.0, https:/commons.wikimedia.orgimgwimgindex.php?curid=84115628
- 和名:シュレーターペンギン(マユダチペンギン)
- 学名:Eudyptes sclateri(エウディプテス シュラーテリ)
- 属:マカロニペンギン属
- 亜種:なし
- 体長:60~70cm
- 体重:4~6kg
- 寿命:10年未満
- 推定生息数:20万羽
- 平均遊泳速度:データなし
- 最深潜水記録:データなし
- 渡り:4~9月
- 産卵数:2卵
- 性成熟:データなし
- 主なコロニー:バウンティ諸島、アンティポデス諸島
- 主な食べ物:データなし
1年間の生活スケジュール
詳しい内容については「繁殖と子育て」の章で説明します。
名前の由来
名前の「シュレーター」と学名の「シュラーテリ」は、共にロンドン動物学会幹事のP.L.シュレーターに由来します。
生息数の動向
深刻な減少傾向にあり、生息数は30年で50~70%ほど減少しています。
生息地
ニュージーランドの東に800kmにあるアンティポデス諸島とバウンティ諸島にのみコロニーが存在します。これらの島は非常に小さく、面積は25km²ほどで、東京都品川区程度の広さです。特にバウンティ諸島は植物もなく、岩場が海面から出ているだけの光景が広がっています。
■シュレーターペンギンの生息地■
■生息地のサイズ感■
ヒナ
ヒナは頭から背中にかけて茶色、胸から腹にかけて薄クリーム色の綿羽に覆われています。
巣立ちを迎えた亜成鳥は大人とほぼ同じ見た目になりますが、飾り羽は短く、大人にように直立していません。
潜水と採餌
潜水に関する詳細な調査は行われていません。遊泳時の姿として、300以下の集団で群れている様子が岸から確認されています。
繁殖と子育て
コロニーへの帰還
9月上旬になるとオスが先にコロニーに帰還し、後からくるメスのために小石などの巣材を集めて愛情を示します。
つがいの絆
つがいの結びつきは強く、1度つがいになると翌年も同じパートナーで繁殖を試みると考えられています。
営巣
巣は地面の窪みに小石を囲って作るか、岩穴をそのまま利用します。シュレーターペンギンは丁寧に巣を作る傾向にあり、小石の隙間は草やグアノなどで埋めてゆきます。
産卵と抱卵
メスは10月上旬に5日ほどあけて2つの卵を産みます。2つ目の卵は1つ目と比べて倍ほどの大きさがあります。通常、1つ目の卵は2つ目の卵を産んだ際に破棄されます。
孵化と保護期
卵が孵るまでの日数は不明確ですが、マカロニペンギン属の平均値か推定して35日ほどと考えられています。この間、両親は交代して卵を温めます。
卵から帰ったヒナは3週間ほどオスの保護下で、天敵や体温の低下から守られて育ちます。この間オスは絶食状態で、ヒナへの給餌はメスが行います。
クレイシ期
孵化後3週間ほど経つと、ヒナは親が抱けないほど成長し、以降50日ほどクレイシに加わります。
巣立ち
ヒナが巣立ちまでに要する期間は120日と推定されています。
換羽
ヒナが巣立つと1ヶ月ほどの換羽前の採餌旅行に出かけます。換羽は3月頃に30日ほどかけて行い、その間に体重は半減します。多くの個体はコロニーのある海岸近くの岩場で換羽します。