ペンギンの習性
ペンギンたちの不思議で面白い習性ついて解説します。
食料
ペンギンは寒冷地から熱帯まで幅広い地域に分布していますが、採餌はすべて冷たい寒流が流れる海で行います。主な食料は小型の魚類、オキアミなどの甲殻類、イカなどの頭足類の3種類に分けられます。主にどの種類のエサを食べるかは種によって異なり、イワトビペンギンのように3種全て食べる種もいれば、アデリーペンギンのように雌雄によって好みが分かれる種もいます。
ペンギンは飲水として必ずしも淡水を必要としません。寒冷地のペンギンは雪を食べたり、温暖地域のペンギンは水たまりの水を飲むこともありますが、大抵の場合、海で獲った獲物と共に海水で水分を摂取します。海水は非常に塩分濃度が高いですが、腎臓や塩類腺から過剰な塩分を排出できるので問題ありません。
塩類腺については「こちら」で解説しています。
体内時計
南緯66.5度よりも南の地域を南極圏と呼びます。南極圏では、夏になると一日中太陽が出ている白夜、冬になると一日中太陽の出ない極夜が起こります。これでは1日の長さが分からなくなりそうですが、アデリーペンギンなどの南極圏で暮らすペンギンは、体内時計を使って概ね24時間のリズムで生活しています。
トボガン
寒冷地に住むペンギンの中には、雪や氷の上を腹ばいになり、足で地面を蹴って滑りながら移動する種がいます。この独特な移動方法は「トボガン」と呼ばれ、エネルギーの節約に役立っています。また、エンペラーペンギンは普通に歩くよりも、トボガンの方が陸上を素早く移動できます。ちなみに、トボガンとはアメリカ先住民族のソリを指す言葉です。